建設業はきつい?現場監督17年が本音で解説|それでも続ける理由【実務-064】

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こんにちは、信州どぼくまです。
今回は「建設業はきつい?」というテーマで、17年の現場経験をもとに本音を書きます。

前回の記事はこちら
ブルーカラーはAIに取って代わられる?建設業の未来と年収を現場目線で本音解説【実務-063】

この記事でわかること

  • 建設業が「きつい」と言われる理由(リアルな実態)
  • 入社直後に経験した忘れられないエピソード
  • 昔と今で何が変わったか・何が変わっていないか
  • それでも17年続けている理由
  • 建設業に向いている人・向いていない人

「建設業はきついって聞くけど実際どうなの?」

転職を考えている人も、今まさに現場で消耗している人も、一度は思ったことがあると思います。

結論から言います。建設業はきついです。
ただし「何がきついか」は人によって全然違う。

体力的なきつさ、精神的なきつさ、時間的なきつさ
——この3つが組み合わさっているのが建設業です。

ただ、17年やってきて言えるのは、「慣れる部分」と「慣れない部分」があるということ。全部がずっときついわけじゃないし、全部が楽になるわけでもないです。

まずは私が実際に経験したエピソードから話します。

忘れられない、災害の夜

私はもともとほぼ男子校のような学校出身で、共学だけどクラスの男女比も40対1という環境でした。
運動部で縦社会にも慣れていたし、建設業界への嫌悪感もなく入社しました。
最初の3ヶ月は徐々に現場に慣れていっていた
——そんな頃に事件が起きました。

入社した会社近くの地域でゲリラ豪雨が発生し、大雨災害が起きました。
人災はありませんでしたが被災箇所が多く、複数の建設会社が入る協議会が立ち上がるレベルの大きな災害でした。

入社3ヶ月の私がやることになったのは、災害時の夜間に道路崩落箇所の手前の交差点に立って、誘導棒と看板で交通整理をすること。
緊急の夜間で交通誘導員の確保ができなかったため、誰かが立たなければ交通渋滞になる状況でした。

カッパを着て、長靴の中まで濡れながら、夜中に災害箇所手前の迂回できる位置に立ち続けました。

そこへやってくる車のドライバーから言われた言葉が、今でも忘れられません。

「なんで通れないんだ」「俺に迂回しろってことか」「なんでもっと早く規制しなかったんだ」
「通れるかどうかは自分で判断するから看板どかせ」
「迂回するからした分燃料代出せ」

道路が崩落しているのに通れるわけがない。
災害が起きることを事前に知っていたら最初から規制している。
——頭の中では言いたいことが山ほどありました。でも入社3ヶ月の私には言えなかった。

精神的にも体力的にもきてるのに、頭の中でずっと流れていたのは、
反町隆史の「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ POISON」でした(笑)
あの夜は朝までそれが流れていた気がします。
 ※今は事前に大雨予測があれば事前規制したりと対策はとれます
 ※あの頃はまだまだガラケーが多い時代、スマホ持ってる人も少なったです。

その後の協議会もきつかった。
各社のベテラン現場監督が集まる場に、入社3ヶ月の自分と先輩が座っている。
先輩はともかく自分は施工方法もまだよくわからない。
学生時代に学んだ知識と実際の現場が全然合わない。
役所と「この工法でどうですか」と協議できるレベルでもない。
この場にいていいのか、何を言えばいいのか
——頭の中がグワングワンした感覚は、今でも鮮明に思い出せます。

建設業が「きつい」と言われる理由

①体力的なきつさ

現場仕事は屋外での肉体労働が基本です。
夏は40度近い炎天下、冬は氷点下の現場。
雨でも雪でも基本的には現場は動きます。
体力的な消耗は他の業種と比べてもかなり大きいです。

②時間的なきつさ

私が入社した頃の話をします。
平日は朝6時に会社に来て書類仕事、8時から17時まで現場、17時から22時まで書類仕事
——これが普通の生活でした。

土曜日はほぼ仕事。
日曜だけが休みで、その日曜でさえディズニーランドにいても仕事の電話が来たら出ていました。
今思えば完全に異常でしたが、その環境の中にいると「これが普通」だと思ってしまうものです。

現場に出ていたら書類仕事をする時間はないし、でも書類をやらなければ次の現場の準備が進まない。職人さんの段取りが狂う。
この構造は今も変わっていないと感じます。

③精神的なきつさ

入社したての頃は、怒声が飛び交う現場が普通でした。ヘルメット越しに単管で軽くこつんとやられることもあった。
イライラした先輩や親方が「もう帰る」と現場を去ることも日常茶飯事でした。
元請への不満が工程の引き延ばしという形で出てくることも珍しくなかった。

また、他の建設会社の縄張りのような地域に入札で仕事を取ったときは嫌がらせを受けたこともあります。
看板などの安全管理設備が朝行くと横に倒されてる、誰もいない山間部の全面通行止め現場に夜間投光器がついていないと電話が来る
——翌日になって「看板邪魔だったからどかしといたよ」と判明するという、今のご時世では考えられないような出来事もありました。

昔と今で何が変わったか

正直に言うと、私が入社した頃はブラックでした。
ただ当時の自分にはそれが「普通」だったので、外から見るとブラックだったと気づくのに時間がかかりました。

今の若い世代の環境を見ると、隔世の感があります。

項目当時(約20年前)
休日日曜のみ・土曜は基本出勤完全週休2日・祝日も休み
残業22時まで書類仕事が普通残業規制あり
有給ほぼ取れない有給あり・取得推奨
初任給低め上昇傾向
現場の雰囲気怒声・体育会系が当たり前穏やかな現場が増えてきた

「なんていい時代に入ったんだ」と思う部分は正直あります。
ただ上の世代がもやもやする気持ちもわかります。
給料ももっと欲しい、休みももっと欲しいと言われると、時代が変わったなと思う反面、複雑な気持ちになることも否定できません。

一方で残業規制については、現場に出ていたら書類仕事の時間がないという構造は何も変わっていません。
生産性を上げながら規制に対応するというのが、今の建設業が抱える一番の課題だと感じています。

それでも17年(もうすぐ20年)続けている理由

きつい話ばかり書いてきましたが、なぜ続けているかというと、シンプルに現場作業が好きで、ものづくりが好きだからです。

ゼネコンさんのように「地図に残る仕事」と言えるほどの大工事には携わっていません。
「あの現場に行ったな」「あの道路を直したな」「道路改良小さいけどうまくいったな」
という積み重ねがほとんどです。

でも、現場が竣工したときや、地域の方から「ありがとう」と言われた瞬間のやりがいは、何年経っても変わらないです。
竣工書類を提出した後と、竣工検査が無事終わった後のコンビニで飲むちょっと高いドリップコーヒーが格別にうまく感じます(笑)

地域と連携しながら、目に見える形で仕事が完成していく
——これが建設業のやりがいだと、17年経った今も実感しています。

建設業に向いている人・向いていない人

これは別記事でも詳しく書く予定ですが、簡単にまとめておきます。

向いている人

  • 体を動かす仕事が好き・苦にならない
  • ものが完成していくプロセスに達成感を感じる
  • 体育会系・縦社会の文化に抵抗がない
  • 予期せぬトラブルに対応することが嫌いじゃない
  • 地域・人との関わりが好き

向いていない人

  • 屋外・体力仕事が根本的に苦手
  • 不規則な時間・突発対応が極端に苦手
  • 人間関係のストレス耐性が低い
  • 「きれいな仕事場」が絶対条件の人

向いているかどうかは、実際に入ってみないとわからない部分も大きいです。
ただ「きつそうだけどなんか気になる」という感覚がある人は、意外と続く可能性があります。

↓建設業への転職を考えている方はこちらもどうぞ
建設業へ転職するなら|現場目線で考える会社の選び方【実務-054】
建設業へ転職するには?|未経験・経験者どちらも成功する転職の進め方【実務-055】

この記事のまとめ

  • 建設業はきつい。体力・時間・精神の3つが重なるのが建設業の特徴
  • 入社3ヶ月で経験した夜間災害対応・理不尽なクレーム・頭の中でポイズンが流れた夜は今でも忘れられない
  • 昔と比べると休日・残業・初任給は大きく改善された。ただ書類仕事と現場仕事の両立という構造的な問題は変わっていない
  • それでも続けている理由は、現場作業とものづくりが好きだから。地域から「ありがとう」と言われるやりがいは何年経っても変わらない
  • 「きつそうだけど気になる」という感覚がある人は、意外と向いている可能性がある

次の記事の紹介と、関連リンクです。
【実務-065】※リンク予定 建設業ってガラが悪い?|昔と今の現場事情を17年の経験で本音解説
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