「熱中症対策」建設業の現場での基本と実践例|2025年法改正にも対応【実務-004】

実務・現場ノウハウ
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こんにちは、信州どぼくまです。
今回は、夏場の建設現場で毎年のように話題になる「熱中症対策」について。2025年6月の法改正の内容も踏まえながら、基本と実際の現場での取り組みを、現場目線で紹介していきます。

前回の記事はこちら
新人現場監督が最初の1年で意識すべきこと|現場で信頼されるための心得【実務-003】

▼こちらの記事も、現場を進めていくにあたって経験上便利だったグッズです。
【実務-006】現場監督が選ぶ!作業効率が上がるおすすめグッズ15選
【実務-007】現場代理人が常備しておきたい道具まとめ(車載装備編)

▼夏関係記事はこちら
【実務-070】【2026年】建設現場の暑さ対策グッズ10選|現場監督の実体験で厳選
【実務-069】暑中コンクリートの施工管理|現場監督が打設手順と養生のやり方を解説


この記事でわかること

・熱中症対策の基本と現場での実践方法
・2025年法改正による重要ポイント
・現場で実際に行っている具体的な対策
・必要な設備・装備とその選び方



なぜ熱中症対策がここまで重要視されるのか?

建設現場は基本的に屋外作業。
特に舗装・掘削・型枠・打設など、日陰のない炎天下での作業が続くと、身体への負担はかなり大きくなります。

さらに日本の夏は高温多湿で、体内に熱がこもりやすく、気づいたときにはすでに重症…というケースも珍しくありません。

実際に私の現場でも、協力会社の作業員が熱中症でぐったりしてしまったことがありました。
普段はダンプトラックの運転がメインで、冷房の効いた車内での仕事が多い方だったのですが、久しぶりの外作業で気温・湿度・慣れない作業が重なり、一気に体調を崩してしまったのです。


2025年6月からの法改正ポイント【罰則付きで義務化】

2025年6月1日、労働安全衛生規則の改正により、職場の熱中症対策が事業者の義務になりました。
これまでの“努力義務”から一歩進み、対策を怠った場合は罰則の対象になります。

通達レベルの話ではなく、ルールそのものが変わった点が重要です。

違反した場合、労働安全衛生法に基づき6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

施行は2025年6月なので、2026年の夏で2年目。中小の建設会社も当然対象です。

✅ まず「自社が対象か」を確認

義務化の対象となるのは、次の条件に当てはまる作業です。

  • WBGT(暑さ指数)28度以上、または気温31度以上の環境
  • ✅ その中で連続1時間以上、または1日4時間を超えて行うことが見込まれる作業

夏場の屋外現場(舗装・掘削・型枠・打設など)は、ほぼこの条件に当てはまります。
「うちは関係ない」では済まないと考えておくのが安全です。

✅ 事業者に義務づけられた3つのこと

  • 体制の整備:熱中症の自覚症状が出た人や、それに気づいた人が「誰に報告するか」、報告を受けた人が「どう動くか」を決めておく
  • 実施手順の作成:作業からの離脱・身体の冷却・水分塩分補給・医療機関への搬送など、悪化を防ぐ手順をあらかじめ定めておく
  • 関係者への周知:上記の体制と手順を、現場の作業員全員に知らせておく

ポイントは、「発見 → 判断 → 対処」をその場の判断任せにせず、あらかじめ決めて紙に落としておくこと。
熱中症の重症化は初期対応の遅れが原因になりがちなので、手順を決めておくこと自体が一番の予防になります。

5人規模の会社でも、A4一枚の手順書と朝礼での周知があれば形は整います。
難しく考えず、「倒れたら誰が何をするか」を全員で共有しておきましょう。


現場での具体的な対策例(私の会社の場合)

私の会社では、以下のような取り組みをしています。

✅ 朝礼での体調確認

「昨日ちゃんと寝られた?」「朝ごはん食べてきた?」といった、雑談まじりの会話で体調異変を探ります。
気を張らずに、自然な会話の中で確認できるのがポイントです。

✅ 飲料・塩飴の常備

冷蔵式クーラーボックスをハイエースに常備し、スポーツドリンク・麦茶・塩タブレットを会社支給しています。
個人的には、休憩時間に麦茶を配るようにしています。
以前は緑茶も使っていましたが、緑茶には利尿作用があり、夏場の水分補給にはあまり向きません。
麦茶はミネラル補給にもなり、熱中症対策として効果的です。

✅ 空調服・ファン付きベストの導入

見た目よりも快適性を重視。予備バッテリーも人数分用意して、万が一に備えています。

✅ テント・パラソルの設置

固定式よりも、折りたたみパラソルや持ち運び式の簡易日除けが便利です。
車両の影や資材の裏など、作業の合間に涼める場所をつくります。

▼暑さ対策グッズ10選記事はこちら
【実務-070】【2026年】建設現場の暑さ対策グッズ10選|現場監督の実体験で厳選

✅ “水分摂取DAY”の声かけ

気温35℃超えの日は、午前・午後それぞれ500ml以上の飲水を推奨。
「今日は水分補給強化の日!」と声をかけるだけでも、現場全体の意識が変わります。


熱中症対策は「教育」と「習慣化」がカギ

いくら対策グッズを揃えても、それを使う意識がなければ意味がありません。

  • ✅ 新人教育の段階で「熱中症の仕組みと予防」を解説
  • ✅ 週報などで「誰がいつ体調崩したか」を共有(再発防止に)
  • ✅ ベテラン職人にも遠慮なく声かけ(“慣れ”が一番危険)

特に注意が必要なのは、「自分は大丈夫」と思っている中堅~ベテラン層。
20代よりも40代・50代の作業員が倒れるケースの方が多いのが現実です。


この記事のまとめ|熱中症は、“現場の空気”で防ぐもの

・熱中症対策は「設備+運用」の両方が重要
・法改正で熱中症対策が罰則付きで義務化された
・事前準備と日々の管理が事故防止につながる
・現場に合った対策を継続することが最も重要

  • ✅ 法改正で「熱中症対策=常識」になった
  • ✅ 飲み物、服装、日除け…“小さな工夫”の積み重ねが大事
  • ✅ 声かけ・共有・教育で“現場全体の意識”をつくる

建設現場は「安全第一」。
熱中症は“命に関わる事故”のひとつです。
特にこれからの季節、若手や外部応援の方が増える現場では、普段以上に“空気づくり”を大切にしていきましょう。

次の記事の紹介と、【実務-004】関連リンクです。
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