家の駐車場はいくらかかる?|コンクリートとアスファルトの費用と業者選び【実務-058】

実務・現場ノウハウ
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こんにちは、信州どぼくまです。
今回は家の敷地を駐車場にするときの費用と、業者の選び方について書きます。

「駐車場をコンクリートにしたら見積もりが思ったより高かった」
「この金額が妥当なのか分からない」

そう感じている方に向けて、見積もりの中身を分解して解説します。
材料がいくらで、人がいくらで、残土処分にいくらかかるのか。

私は長野で土木の現場監督を17年やってきました。
発注する側でも、見積もりを作る側でもいるので、両方の数字を知っている立場から書きます。

前回の記事はこちら
【実務-055】建設業へ転職するには?|会社選び・書類・面接を採用側の本音で解説

この記事でわかること

  • コンクリートとアスファルト、どちらを選ぶべきか
  • 駐車場の費用相場と、台数で変わる有利不利
  • 見積もりの中身(材料・人工・重機・残土)の内訳
  • 材料の量を自分で概算する計算式
  • 失敗しない業者の選び方と見積書の読み方

結論:台数で決まる

迷っている方向けに、先に結論です。

  • 車1〜2台 → コンクリート
  • 車3台以上 → アスファルト

「アスファルトのほうが安いのでは」と思うかもしれません。
材料単価だけを見ればそのとおりです。ただし狭い面積では逆転します。理由は後で説明します。


コンクリートとアスファルトの違い

コンクリートアスファルト
見た目白〜グレー。住宅と合う黒。駐車場らしい
耐久性硬く変形しにくいわだち・ひび割れが出やすい
耐用年数15〜30年程度10〜20年程度
使えるまで養生に数日〜1週間冷えればすぐ
夏の熱さ比較的マシかなり熱くなる
沈下への追従硬いので割れる弾性があり追従する

住宅の駐車場でコンクリートが多いのは、見た目と耐久性のバランスが良いからです。
重い車を毎日停めても、わだちができません。


費用相場(m2単価)

舗装単価目安
アスファルト4,000〜8,000円/m2
コンクリート7,000〜13,000円/m2

普通車1台に必要な面積はおよそ12〜13m2です。
単純計算すると、1台分でコンクリート10〜18万円、アスファルト7〜13万円あたりになります。

ただ、この単価だけ見てもなぜその金額になるのかが分かりません。
ここから中身を分解します。


見積もりの中身を分解する

駐車場工事の見積もりは、大きく4つで構成されています。

①材料費

  • アスファルト合材:18,000〜20,000円/t 程度
  • 生コンクリート:30,000円/m3 程度

※これは自社のトラックでプラントへ引き取りに行った場合の目安です。
配達してもらうと、ここからさらに上がります。地域やプラント、合材や生コンの種類によっても変わります。

それと、これは書いておきたいのですが。
例年上がってますが2020年ごろから建設資材は一気に上がりました。昔の相場を知っている方の感覚だと、今の見積もりは高く感じるはずです。
そして残念ながら、今後安くなる見込みはほぼありません。

▼資材が上がっている背景は、こちらで現場側から書いています。
【実務-062】現場が止まる|イラン情勢・ナフサショックで建設資材が手に入らない

材料の量を自分で概算する

実は、必要な材料の量は簡単な式で出せます。

アスファルト合材(t)
面積(m2) × 厚さ(m) × 2.35 × 1.07

生コンクリート(m3)
面積(m2) × 厚さ(m) × 1.06

厚さはメートルで入れます。5cmなら0.05、15cmなら0.15です。
末尾の1.07や1.06は、施工中のロスを見込んだ割増しです。

計算してみます。
30m2の駐車場をコンクリート15cmで打つ場合。

30 × 0.15 × 1.06 = 約4.8m3
4.8 × 30,000円 = 約14万円

これが生コン代です。
30m2の見積もりが30万円だとしたら、半分以上は材料以外ということになります。

②人工(にんく)

作業する人の費用です。公共工事の単価を参考にすると、こうなります。

  • 普通作業員:24,600円/日
  • 土木一般世話役(現場を仕切る人):32,100円/日

※2026年度の公共工事設計労務単価です。地域によって金額が異なります。民間工事はこの単価そのままではありませんが、目安にはなります。

4人で2日なら8人工。それだけで20万円前後になります。
ここにトラックの運転手が加われば、さらに積み上がります。

※うちの会社の職人はベテランだからこの人工金額ですや、うちはこの金額だよ等様々なのであくまで参考です。

③重機回送費

機種と距離によりますが、3万円〜が目安です。

ここが、狭い面積だとコンクリートが有利になる理由のひとつです。
1台分でも10台分でも、回送費は同じだけかかります。

④残土処分費

掘削した土を捨てる費用です。ここが見落とされがちです。

  • 3,000円〜/m3(運搬費は含まず)
  • 土質条件によって変わります
  • 田んぼなど湿地の残土は第4種相当や汚泥扱いになり、さらに上がります

駐車場は20〜25cm掘るので、30m2なら7m3前後の土が出ます。
処分だけで2万円台、そこに運搬費が乗ります。

「捨てるだけなのに」と思うかもしれませんが、ここは削れません。理由は後で書きます。


▼外構・エクステリアの一括見積もりサービスはこちら

外構エクステリア比較プロ


【重要】この数字は値切りに使わないでください

ここまで内訳を書いておいて何ですが、一番伝えたいのはここです。

「材料費はこのくらいなのに、この見積もりは高すぎる」
これを業者に言うと、ほぼ確実に印象が悪くなります。

ここに書いた数字は、あくまで見積もりの構造を理解するための参考値です。値下げ交渉の材料ではありません。

実際にあった話

以前、同業種にいた公務員の年配の方から「見積もりを出してほしい」と言われて、出したことがあります。

返ってきたのは、逆見積もりでした。

「建設物価の本や積算ソフトで出した金額より高いのはなぜだ」
「この金額じゃないとうちは施工してほしくない」

そのときはこうお答えしました。

うちが重機の回送を手配して、資材を段取りして、会社として利益を出そうとすると、その金額になります。
むしろその金額でも地元だからできる価格で、ほぼ利益は出ていません。
近くで公共工事をやっているついでに寄れるから、資機材の移動が楽なぶん抑えられているだけです。

その積算ソフトの金額で施工してくれる業者があるなら、どうぞそちらにお願いしてください。
そうお断りしました。

歩掛の金額では成立しない工事もある

積算ソフトの歩掛は、標準的な条件を前提にした数字です。

実際の現場には、狭い進入路、他人の敷地際、既設の埋設物、天候による中断、工程の調整。
数字に出てこない条件が山ほどあります。実務を知っている人ほど「この歩掛では無理だろう」という工事があるのが分かります。

だから、材料費から逆算して「高い」と決めつけるのは危険です。

では、内訳を知って何に使うか

  • 質問できるようになる:残土処分は含まれていますか、厚さは何cmですか
  • 比較の軸を揃えられる:A社とB社で仕様が違うのに金額だけ比べない
  • 安すぎる見積もりに気づける:どこを削っているのか聞ける

値切るためではなく、納得して選ぶためです。
そして、内容を分かったうえで質問してくる施主は、業者からしても仕事がしやすい相手です。

ちなみに、ハウスメーカー経由の見積もりが高くなるのは事実です。
施工業者 → ハウスメーカー → 施主と間に入るぶん、どうしても乗ります。これは仕組みの話で、誰かがぼったくっているわけではありません。


狭い面積だとコンクリートが安くなる理由

ここまで読んでいただければ、もう答えが見えていると思います。

30m2以下(1〜2台)

この規模では、材料費より「動かす費用」の割合が大きくなります。

  • 重機の回送費
  • 諸経費
  • 下地工事

アスファルトは施工に専用の機械と人数が要るので、小面積だと逆に割高になることがあります。
結果として、コンクリートのほうが安くなるケースは珍しくありません。

50〜60m2以上(3〜4台)

ここまで広くなると、材料単価の差が効いてきます。
アスファルトが一気に安くなり、施工も早く終わります。

月極駐車場や広い敷地でアスファルトが選ばれるのは、これが理由です。

迷ったらハイブリッド

現場でもよくやる方法です。

  • 手前(人目につく側)→ コンクリート
  • 奥(見えない側)→ アスファルトや砕石

もうひとつ、タイヤが乗る部分だけコンクリートにするやり方もあります。
最近の建売住宅でもよく見かけます。砕石の飛散防止にも、沈下防止にもなるのでおすすめです。


材料の種類で迷ったら

アスファルトも生コンも、実はたくさんの種類があります。
ただ、住宅の駐車場ならこのあたりを押さえておけば大きく外しません。

  • アスファルト:再生密粒度アスコン 13F または 20F
  • コンクリート:18-8-25BB(W/C60%以下)または 40BB

いろいろな考え方の方がいるとは思いますが、これで概ね大丈夫です。

そして一番確実なのは、プラントに直接聞くことです。
「住宅の駐車場に使いたい」と言えば、その地域で標準的なものを教えてくれます。


残土の処分先には注意が必要

ここは金額の話より、どこに持っていくかのほうが重要です。

残土を受け入れている場所に相談するのが一番早いのですが、必ず許可を持っているところを選んでください。

長野県では「長野県土砂等の盛土等の規制に関する条例」が施行されています。
他の地域にも同じような条例があるはずなので、お住まいの自治体で確認してください。

相談先はいくつかあります。

  • 許可を持つストックヤード(受け入れ先)
  • 大きめのホームセンター
  • 各自治体の窓口(相談を受け付けている場合があります)

※業者に依頼する場合も、残土をどこに持っていくのかは聞いておいて損はありません。まともな業者なら普通に答えてくれます。


寒冷地は下地と厚みが効く

寒冷地では、凍結と融解の繰り返しが舗装を痛めます。

  • 寒中施工は手間が増える(そのぶん費用も上がる)
  • 凍上対策が必要
  • 下地の厚みが甘いと数年で差が出る

安すぎる見積もりは、たいてい見えない部分を削っています。砕石の厚さ、転圧の回数。仕上がった直後は分かりません。

▼寒い時期のコンクリート施工については、作業者目線でこちらに書いています。
【実務-022】寒中コンクリート施工の注意点|現場での実体験と学び


業者はどこに頼むか

業者タイプ特徴向いているケース
外構専門業者住宅の駐車場に強い戸建て1〜3台
土木・舗装業者耐久性と重機施工に強い広い敷地・傾斜地
ハウスメーカー新築と同時で手間が少ない新築で一括依頼
ホームセンター価格が手軽小規模

住宅の駐車場なら、外構業者2社+土木業者1社で相見積もりが一番バランスが良いと思います。

ハウスメーカーが高くなる理由

  • 実際に施工するのは下請けの業者
  • 間に入るぶんのマージンが乗る
  • 仕様が固定されやすい

ただし、引渡しの時点で駐車場が完成しているのは大きなメリットです。
入居してから業者を探して、工事の日程を調整して……という手間が丸ごとありません。

楽を取るか、金額を取るか。ここは考え方次第です。


業者選び5つのチェックポイント

①建設業許可があるか

許可番号、地元での実績、口コミ。
建設業許可があると500万円以上の建設工事を請け負うことができます。
なので必然的に大きい規模の工事に慣れているので間違いはないです。

逆に許可がない会社でも民間工事メインで行っている会社ですと、請負額が500万以上となるとなかなかないかもですので、どっちがいいのかは誤解しないように。

②相見積もりは3社以上

外構2社+舗装1社の構成が、比較しやすくておすすめです。
同じ業種ばかりだと、似た金額しか出てきません。

③現地調査をするか

現地を見ずに見積もりを出す業者は要注意です。

地盤、排水、勾配。それだけでなく前面道路の広さでも金額は変わります。
道路幅が2.5mしかない場所だと、小型の車両を手配することになって割高になります。

見に来ない業者の見積もりは、あとから追加が出る可能性が高い。

④施工実績を見せてもらう

施工写真、地元での実績、寒冷地のノウハウ。
近くで施工した現場を教えてもらえるなら、見に行くのが一番早いです。

⑤保証とアフター

目安は5〜10年。保証内容は必ず書面で確認してください。

ここで大事なのは、舗装は必ず劣化するものだと理解しておくことです。
ひび割れも沈下も、いつかは起きます。施工不良なのか経年劣化なのかで対応が変わるので、その線引きを聞いておくといい。


見積書の読み方

ここまで内訳を説明してきたのは、見積書を読めるようになってほしいからです。

良い見積もり

土間コンクリート 30m2 × 単価◯◯円

要注意な見積もり

土間コンクリート 一式 25万円

「一式」表記は必ず内訳を聞いてください。
悪意があるとは限りませんが、何がどこまで含まれているのかが分かりません。残土処分が入っているのかどうかも読み取れない。


【業者側の本音】見積もりと実際の人数がズレたとき

ここは、トラブルになりやすいところなので書いておきます。

たとえば、こういう見積もりが出たとします。

  • 人工:作業員4人 × 2日 = 8人工
  • 材料:砕石10m3
  • 材料:コンクリート10m3

ところが実際に来たのは3人 × 2日で6人工だった。
それで現場は完了した。
施主としては「2人分安くなるんじゃないの?」と思いますよね。

でも多くの場合、金額は変わりません。

業者側は「この工事を仕上げるのにいくら」という目安と単価で見積もりを作っています。
一方、施主側は「人数が減ったなら安くして」と考える。ここで認識がズレます。

逆のパターンもあります。
3人 × 3日で9人工になったから1人分増額します、と請求書が来たら。施主側は納得できないはずです。

どちらの言い分も分かります。
だからこそ、着工前に「この見積もりは何に対する金額なのか」を擦り合わせておいてください。

人工数に対する金額なのか、仕上がりに対する金額なのか。
ここを確認するだけで、後のもめごとはかなり減ります。

※通常は「この工事をするにはこの金額です」 となるかと思います。


業界に知り合いがいない場合、どう探すか

私が建設の知識のない会社員だったら、どうするか考えてみました。

  • くらしのマーケットなどに載っている業者を調べる
  • 近所や、近隣の戸建ての方にどこで施工したか聞きに行く
  • 街中で見かける工事の看板から業者名を調べる

とにかく調べるだけ調べると思います。
特に近所で実際に施工した人の話は、口コミサイトより信用できます。数年経った状態も見られますから。

日程に余裕があると安くなることも

最近の建設業界は、公共工事が週休二日に対応することが多くなりました。
そうすると土日祝に手が空く業者も出てきます。

「平日でも土日祝でも、何月までにしてもらえるなら いつでもいいですよ」と伝えると、業者は段取りしやすくなります。
急がない工事なら、この一言が効くことがあります。


この記事のまとめ

  • 1〜2台はコンクリート、3台以上はアスファルトが有利
  • 見積もりの半分以上は材料費以外
  • 材料の量は簡単な式で自分で概算できる
  • 残土処分は許可のある受け入れ先へ
  • 現地を見ない業者の見積もりは要注意
  • 「一式」表記は内訳を確認する
  • 着工前に「何に対する金額か」を擦り合わせる

駐車場は一度作ると、簡単にはやり直せません。
だからこそ、金額の中身が分かったうえで比べてほしいと思っています。

安い見積もりが悪いわけではありません。
ただなぜ安いのかが説明できる業者を選んでください。それだけで失敗はかなり減ります。

次の記事の紹介と、関連リンクです。
【実務-059】駐車場はDIYできる?|材料費15万円と外注58万円の差と施工手順
【実務-062】現場が止まる|イラン情勢・ナフサショックで建設資材が手に入らない
【実務-017】注文住宅の諸費用はいくら?|内訳・支払い時期・費用を抑える方法

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